ヨガにはいろいろな浄化法があります。クラスではアーサナやプラーナヤーマの実習が主ですが、浄化法の実習はそれらの土台となる不可欠なものです。まずは、ご家庭で鼻洗浄を始めてください。
ジャラ•ネーティ(Jala Neti)鼻洗浄
お椀で行う鼻洗浄
- お椀などの容器に、塩をひとつまみと人肌くらいの温度のお湯を入れます。
- 片方の鼻孔を押さえて、もう一方の鼻孔からお湯を吸い上げて、口から吐き出します。
- うまくお湯が喉まで入らなければ、鼻の奥まで入れ、強い鼻息とともに出します。
冷たい水で鼻がツーンとなった経験のある人は怖がりますが、塩を多めにして、お湯を温かめにして行ってみてください。
慣れれば、うまく口から吐き出せるようになります。
ネーティポット(急須や吸い飲みのような容器)を使った鼻洗浄
- ネーティポットに塩ひとつまみと人肌くらいのお湯を入れます。
- 片方の鼻孔にネーティポットの先を軽く入れ、頭を横に少し倒します。
すると、反対の鼻孔から、たらたらとお湯が出てきます。 - 反対側も同じように行います。

- 耳の奥の感覚に気をつけながら行いましょう。
- 終わったら鼻腔に残ったお湯を「フン」と出してください。回数を重ねながら、自分に心地よい温度や塩加減をみつけましょう。

- 鼻洗浄によって鼻の内についたほこりや細菌を洗い流し、細菌感染や花粉の侵入を防ぎます。鼻や喉の粘膜が強化されることで、風邪をひきにくくなります。
- 鼻孔はプラーナ(宇宙の生命エネルギー)の通り道です。つまった状態では、エネルギーの流れが滞り、うまく体内にエネルギーを送ることができません。ですから、いつも鼻呼吸ができるようにしておきましょう。
バスティ・クリア(Basti Kriya)腸の洗浄
●所要時間・・・・ 約2時間半
(便秘気味の人ほど長くかかるので、午前中に時間の余裕のある日に行ってください。)
用意するもの
- お湯 800cc
- 塩 小さじすり切り3杯=大さじ1杯(15g)
- レモン汁 1個分(約50cc)
塩の量は小さじ1杯から徐々に加減してゆくとよいでしょう。ただ少なすぎても効果が下がることがあるので回数を重ねて、ご自分にあった濃さをみつけましょう。
やり方
- 朝起きたら何も食べずに上記のレモン湯を飲みます。お湯はスッと飲める範囲で、なるべく熱い方がよいです。(お湯がぬるすぎると効果が下がる場合があります。)どうしても飲めない人も時間をかけて、最低500ccは飲むこと。
冷めてきたら途中で温めなおして、立ったり歩き回ったりして飲みます。座ってしまうと腸の蠕動運動が妨げられるからです。アーサナをいくつか行いましょう。 - 全部終了するまで寝ないでください。(引力の助けを借りることができなくなり、便通にならず吐くことがあります。)
約30分後に便通があります。一旦これが始まったら座ってもかまいません。
はじめに全量を飲めなかった場合は、残りを温めて飲み切ります。 - 10~20分間隔で便通がありますが、全く腹痛はありません。
腸内の酸やガスが水のように出ます。飲んだお湯が全部出てしまうと便通はピタリと止まります。
この間に非常に喉が渇く事があります。水を2~3滴すする程度に止めてください。水を飲み続けると便通が止まりません。(もし全く便通が起きない人は逆に水を飲んでください。) - 約30分、何事もなければ完了です。ヨーグルトなど負担が少ないものを軽く食べても結構です。
注意すること
- お湯を飲んでいるとき(スムーズに飲めない時など)に、頭痛を感じる事がありますが、すぐに治ります。
- 行った日は一日中、喉が渇きます。冷たい飲み物は避け、温かいもの(お茶・冷やしてないジュース等)を飲むようにしてください。
行う日は朝食を抜くことになります。 - 昼食には下記の食事をしてください。いずれの場合にも大さじ山盛り1杯のバターかマーガリンを混ぜてください。(取らないと翌日便秘することがあります。)
- お湯を飲んでいるとき(スムーズに飲めない時など)に、頭痛を感じる事がありますが、すぐに治ります。
おかゆ・・・野菜などを炊き込んだり味付けをしても良いです。ジャガイモを皮のままボイルし、適当に切って味付けをする。
- 夕食は普通にとって大丈夫です。
- ①を行っている時に、非常に眠くなる人がいます。これは体内に悪い酸(acid)が多く溜まっていたというサインです。
- 過食・過飲・過労・心労など、いろいろな要因で酸(acid)が溜まります。このバスティ・クリアの目的は、それらを体内から除去し、酸性体質を治すことです。
- 最初は1週間後に2回目を行い、次は2週間後に行ってください(1週に2回以上する必要はありません)。
- バスティ・クリアは、もし便通が起きなかった場合も、全部が尿となり排出されるので心配はありません。
- しだいに腸内が活性化され、お腹の調子がよくなってゆくのが実感できるでしょう。
- 消化器官が浄化されることで、自然治癒力が高まり、体質改善につながります。
アグニサーラ・クリア(Agnisar Kriya)
ハタ・ヨガのシャット・カルマ(6つの浄化法)の中のダウティ(内臓の清掃)の1つで、火の浄化法と呼ばれます。横隔膜を強く意識できる自分でできる内臓マッサージで、集中力が高まります。気持ちもスッキリとして、活力も高まります。
やり方
- 座り姿勢、または立ち姿勢から背筋を丸め、手を膝の上に置き、上半身を少し前に傾けます。
- 息を吐きながらおへそを背骨のやや上方に引き上げ、息を止めた状態で素早く腹部を凹ませては戻すポンピングを息が続く限り繰り返します。(息を吐き切った時に鼻をつまんで行うと腹部に意識を集中し易く、ポンピングがやり易くなります。)
- 呼吸を整えてから、再度、息を吐き切り、繰り返します。
注意すること
- 消化器系に負担をかけないため、必ず空腹時に行います。
- 簡単で効果が高い浄化法ですが、高血圧や心血管疾患のある人、妊娠中、生理中の場合は自分の判断では行わず、必ず指導者に申し出てください。
消化の火を増大させ、内臓を活性化させると言われる浄化法で、消化不良や便秘の改善などに効果的です。
ナウリ・クリア(Nauli Kriya)
ナウリ・クリアという浄化法もあります。
- 腹直筋を波状に動かすことで胃腸がマッサージされ血流が増し、消化不良や便秘を改善します。
- 内臓を強化し筋力がアップすることで姿勢も整います。
- 練習は必ず空腹時に行ってください。

